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読書記録 柳広司ー「ジョーカー・ゲーム」

~アニメ版が面白かったので~
柳広司ジョーカー・ゲーム』ハードカバー 角川書店 2008年

■きっかけはアニメから■
面白くて何度も見たアニメの原作小説。
登場人物の心情やスリル満点の駆け引きに最後までドキドキしながら読了。
このエンタメ性はアニメだけでなく、映画や舞台化したのも納得。

■謎多き「D機関」■
物語を通じて出てくる「D機関」という名のスパイ養成学校。
そこに所属している者たちはお互いの本名を知らない。他人になりきり任務を
こなしていく。その手際の良さやスマートさがしびれる。

■重厚なストーリー■
ジョーカー・ゲーム
アメリカ人技師ジョン・ゴードンが盗んだ日本陸軍の暗号表(コードブック)
は何処に?
タイトルと同名だけあって、誰がジョーカーを引くのか最後まで見逃がせない。
「D機関」創設者である結城中佐の先見眼に驚く。

「幽霊(ゴースト)」
英国総領事アーネスト・グラハム邸に出入りするテーラーの店員蒲生次郎。
毎日のようにチェスの相手をしている蒲生の目的とは?
当人が知らないうちに時限装置が仕掛けられていく過程が小気味良い。

「ロビンソン」
とある写真館の主、井沢和男の甥が突然スパイ容疑で逮捕された。
取調室でスパイ対スパイの駆け引きが始まった。
任務に向かう時に結城中佐から餞別として渡された一冊の本。なぜロビンソン・
クルーソーなのかが分かった時、物語に厚みが増してくる。

「魔都」
上海派憲兵隊の中に敵の内通者を探しだせ。本間英司憲兵軍曹に任務が下さ
れたまさにその時、任務を言い渡した及川大尉の自宅が砲撃に遭った。
新聞記者が現場で目撃した草薙行仁という「D機関」の男。草薙が本間に見せ
た信じられない光景とは?
文面から上海の纏わりつくような空気、独特の匂い、騒音がしてくるようだ。

「XX(ダブル・クロス)」
ドイツ人カール・シュナイダーの死。表向きは新聞記者、裏の顔は極めて特異
なタイプのスパイだった。遺書に小さく書かれた「XX(ダブル・クロス)」の
意味とは?
劇団員野上百合子のアリバイ崩しと「D機関」飛崎の心の葛藤が見どころ。

他にも「D機関」シリーズがあるので楽しみ。