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【ココ読んで!!3(スリー)】銀の匙

こんばんは。

今日は不朽の名作、銀の匙中勘助氏の方ですよ)です。

 

銀の匙 (岩波文庫)

銀の匙 (岩波文庫)

 

 おすすめ その1 今でもフレッシュ!ことばの美しさと楽しさ

大正時代にかかれたものなので、表現や社会背景、風俗などは令和の今通じないものばかりです。でも、ことばの美しさや楽しさって変わらない部分をとても感じるのです。絵画みたいです。

 

ひらがな多めで見た目がまろやかで、幼少期の話を引き立てます。

擬音が独特で好きです。おおっと目に引っ掛かりクスッとさせてくれます。これ、楽しみポイントです。主人公のクセが強いのですが、「擬音カワイイ~」とすんなり受け入れてしまいました(笑)

あと、食感といいますか駄菓子など口にするものが出てきますが、その表現が食べたことないのにおいしさが伝わってきます。食レポさせたらうまいでしょうね(笑)

 

おすすめ その2 注釈が楽しい

昔の文学作品に多い「注釈」ですが、いっぱい出てきます。巻末の注釈一覧を参照しながら読み進めていくことになります。面倒?いやいや。これが楽しいのです。

私の好きな「いわこくさん(岩波国語辞典)」が大活躍するからです。

ちなみに、中勘助氏は岩波書店創業者の岩波茂雄氏と第一高等学校時代の同級で、小石川の実家を岩波氏に買い取ってもらったとのこと。あら、こんなところでつながりが。

しかも私、幼少期そのあたりで遊んでました・・・地元一緒だったんですね(^^)/

話は戻りまして、200近くある注釈でそのころの情景が浮かび上がってきます。

辞書を見て、場合によってはネットで画像など調べて。

私の中でヒットしたのは”よかよか飴”です。明治・大正から昭和初期までいた飴売りで、飴や旗をさした盤台(はんだい)を頭に載せて歌や踊りを見せていたそうです。その様子も作中に出てきます。楽しかったでしょうね。昔見たチンドン屋さんみたいな感じでしょうか。

当時の甘いものに対する情熱もひしひしと感じます。

昔の作品から新しいもの(自分にとって、ですが)を発見して自分のものにする、まるで冒険家になった気分です。

 

おすすめ その3 何度も読みたくなる

この作品は、最初の一ページからじっくり読むのももちろんですが、前編で53、後編で22の章(この表現で合っているのか自信ないですが)となっているので、章だけ抜粋して読むのも面白いです。

気分でぱらぱらめくって止まったところを読む、のもいいかも。

ちょっと時間おいて、今度は音読をしようと思ってます。

手元に置いておきたくなる本です。